こんにちは、中小企業診断士のヒロです。
最近、人手不足が深刻ですよね。そんな今日においてスタッフの定着率はとても大事なことです。
でも、実際の現場ではよく耳にするんですよね。「優秀だったあのスタッフが辞めちゃって困った」と…
はじめに:「また辞めちゃった…」と悩んでいませんか?
「せっかく仕事を教えたのにすぐに辞めてしまう」
「最近やっと慣れてきたところだったのに…」
そんなスタッフの入れ替わりに頭を抱えている組織やお店の方、少なくないのではないでしょうか。
特に少人数で回していると一人抜けただけでも仕事がまわらなくなったり、店主や他のスタッフの負担が急に増えてしまったりしますよね。更には他のスタッフもそのしわ寄せによる負担増に嫌気がさして辞めてしまったり…このように負の連鎖になりかねません。
ご存知の通り、人手不足が深刻化している今日においては新しいスタッフを採用するのもひと苦労です。
だからこそ“ちょっとした工夫”を取り入れて、スタッフが長く働きやすい職場づくりを心がけていきたいですね。
この記事では、今日から実践できる「人材定着につながる小さな工夫」を5つご紹介します。
「給料だけが理由じゃない」──人が辞める背景にある“気持ち”
「うちは高い給料なんて出せないし…」と諦めている方、ちょっと待ってください。
もちろん待遇は大切な要素です。でも実際にスタッフが辞める理由を深掘りしていくと、
- 職場の雰囲気が合わない
- 人間関係に疲れた
- 自分のやっている仕事の存在意味がよくわからない
といった“気持ちの部分”が影響しているケースが多く見られます。
だからこそ、小さな組織・お店ならではの“人と人との距離の近さ”を活かして、その「気持ち」に寄り添う工夫が効果を発揮するんです。
ちなみに「職場がうまく回ってるなあ」と感じるところの責任者や店長さんをよく見ていると自然に今回紹介するような工夫が出来ているようです。なので職場の雰囲気がすごく良くて外から見ていると職場の一体感を感じられます。
すぐに始められる工夫ばかりなので自分のスマホの待ち受け画面に今回紹介する「5つの見出し」だけでも書いておいて常日頃から意識しておきたいですね!
小さな組織だからこそできる工夫5選
感謝の言葉を習慣にする:「ありがとう」「助かったよ」が効く
「えっ、そんなの当たり前じゃない!」って思われたでしょうが、ちょっと待ってください。本当に出来ていますか?ちゃんと心から感謝の言葉を言えてますか?忙しいときなんかはつい目の前のことに必死になってしまい忘れがちじゃないでしょうか。実は私自身もつい忘れがちです。
例えばこんなエピソードがないでしょうか?
エピソード1:感謝って気をつけないと見落としがち
新人さんが「○○さんがいつも倉庫の品を出しやすく整理してくれていてありがたいです」って言ってて初めて自分が何も言っていなかったことに気付いた。
感謝って気を付けないと見落としますし言葉に出来ないものだなって反省。
エピソード2:感謝は言葉にしないと気持ちは伝わらない
自発的に自分のフォローをしてくれてた人に対してバタバタしてて無言でスルーしてしまった。あとで「怒ってます?」って聞かれてビックリ。
ありがとうって言葉にしないと「気づいてるよ」っていう気持ちは伝わらない。
エピソード3:感謝される側になってようやく言葉の大事さに気づく
自分が人から感謝の言葉を貰った時に嬉しかった反面、「自分は他の人にちゃんと“ありがとう”言えてなかったかも…」ってあらためて思った。日々気をつけないと。
感謝される側になって言葉の大事さに気づくものですよね。
誰でも「ありがとう」と言われたら嬉しいものです。やる気に繋がります。
「やって当たり前」ではなく、小さな行動にも感謝の言葉をかける習慣を持ちましょう。
スタッフが「自分のことをちゃんと見てくれている」「自分のことをちゃんと評価してくれている」と感じられることが、安心感や働きがいにつながります。
「ゆるいミーティング」を月1回取り入れてみる
月に1回、10分でも構いません。スタッフと「最近どう?」と声をかけ合う時間を持ちましょう。
これは“会議”というほどカッチリしたものじゃなくていいんです。雑談に少し毛が生えたような気軽なコミュニケーションの場でも全然大丈夫。
たとえば、
- 営業後に1対1で5分だけ話す
- 開店前や休憩中にちょっと立ち話をする
- 2〜3人でお茶を飲みながらゆるっと話す
大事なのは、「ちゃんと気にかけてるよ」「見てるよ」というメッセージを言葉にして伝えることです。
さらにスタッフに元気がなかったり、なんだか悩んでそうだったりといつもと違うことにも気付きやすくなります。ほんの少しの時間でも効果的ですね。
仕事の「意味」を伝える
「この掃除を丁寧にやることで、お客さんが入ったときの印象がグッと良くなるんだよね」
「あなたが作業棚を毎日整理してくれているからこそ、営業中の仕事を効率よく回せるんだよね」
そんなふうに、この仕事を“何のためにやっているのか”を一言添えるだけで、仕事の価値を感じてもらえるようになります。特に裏方的な仕事だと「何のためにこれをやってるんだろう…」って思いがち。裏方仕事の場合は特に意識的に伝えていきたいですね。
自分の仕事がお客さまや別のスタッフなど誰かの役に立っていると実感できることは、スタッフからすると大きなモチベーションになります。
「できたことノート」や「できたこと表」を作る
スタッフの成長は、記録に残しておくと効果的です。
「最初は苦手だったレジ操作が、今ではスムーズになった」など、小さな成長をスタッフ本人がメモしておくと本人の自信にもつながりますし、管理する側も気づいたときに声をかけやすくなります。
ノートやホワイトボードなど、手軽に始められる形でOKです。
「できたことノート」や「できたこと表」って結局なに?
他の工夫と比べるとこの「できたことノート」や「できたこと表」というのは少しイメージしづらいと思いますので少し説明させてください。
これは簡単に言うと、
- 今日うまくいったこと
- ちょっとでも進んだこと
- ありがとうって言われたこと
なんでも良いので書き出してもらって、スタッフが自分自身を肯定するためのメモ帳みたいなものです。“うまくやれたことを記録する”ってだけで、ちょっと誇らしい気持ちになれるもんです。紙でもスマホでも、スタッフに合ったやり方で始めてみましょう。
目的は、
- スタッフが自分の中の“良かったところ”を意識的に見つける
- 良かったところをスタッフの自信の種として育てていく
ってところです。
「できたことノート」や「できたこと表」書き方の具体例
「できたことノート」や「できたこと表」って実際にはどんな感じ?ってイメージしてもらえるように少しパターンごとに例を書いてみます。
パターン①:週に1回まとめて書く
【できたことノート:2025年5月7日の週】
- 苦手な電話対応、緊張しながらもやり切った!
- 新しいお客さんの名前をちゃんと覚えた
- ゆるミーティングで自分から発言できた
- 〇〇さんが「いつもありがとう」って言ってくれた
ポイントは「すごい成果」じゃなくても良いというところ。「ちょっとしたこと」でOKなんです!
ちなみに書けないときは無理に書かなくてもOK。書くことがストレスになってしまっては本末転倒ですからね。でも出来るだけ書いてもらえたら良いですね。
パターン②:1日1行だけメモ
4/28(月):昼の片づけ、いつもより早く終わらせた!
4/29(火):新人の〇〇さんに「助かります」って言われた
4/30(水):5分だけ早く出勤して余裕あった
・・・
こんな1行ずつでも積み重ねていけば「あ、自分も色々と出来るようになってきたな」っていうスタッフの気付きに繋がります。
パターン③:ホワイトボード・社内掲示板(みんなでやるバージョン)
共有スペースに「できたことボード」を設置して、ポストイットなどで書いていくような形が理想です。
この時のルールとしては
- 他人のことでもOK
- ちょっとしたことでOK
- ネガティブなことは書かない
といったように簡単ながらポジティブな意見がスラスラと出せるように配慮したいですね。
- ○○さんが電話対応すばらしかった
- 伝票処理、○○さんが完璧に全部チェック済み!助かりました!
- 今日は定時で帰れた!ナイスチームワーク
みんなでやることによって自分だけでなく他のスタッフの良いところにも目が向きやすいです。その結果として職場の空気が良くなったという声が多いです。
「できたことノート」の効果
パターン①と②に共通して言えることとして管理者とスタッフとの日報みたいな軽いやりとりで使えるので、こんなメリットもあります。
業務報告+ちょっとした気づきがセットで届く
ただの「今日は〇〇しました」やなくて「自分なりにこんな工夫した」「これちょっと手応えあった」みたいな気持ちも拾えます。
スタッフが自分の仕事ぶりを見られていると感じる
「普段のがんばりの積み重ねが形になってきたな!」など一言添えるだけで信頼関係が築き上げやすいです。
スタッフの感情の変化にも気づきやすい
最近なんだか元気がないな?ってことを拾いやすくなります。そんな時に話を聞いたり相談することで問題の芽を摘むことが出来るかも知れません。
職場全体の雰囲気が改善される
特にパターン③のみんなでやる場合に関しては職場全体の「良い雰囲気」作るのにかなり有用な手段です。ぜひチャレンジしてみてほしい工夫です!
でも、なぜこれが離職防止になるのでしょうか?
仕事って「できて当たり前」ってなりがちなので、自分の成長が感じられなくなったり褒められること少なくなりがちなんです。
でも「ちゃんと見てもらってる」「自分なりにやれてる」「成長できている」って実感あると、人は辞めにくくなります。
「好き」や「得意」に寄せた役割分担を意識する
すべてのスタッフが同じように動ける必要はありませんし、誰もが得手不得手があります。
- 接客が得意なスタッフには、お客様と関わる業務を多めに
- 裏方作業が得意なスタッフには、清掃や在庫整理を任せる
- リーダーシップがあるスタッフには、職場を回す立場を任せてみる
といったように、「向き不向き」や「好き・得意」を意識した配置をすることで、働く人のストレスを減らし定着につながりやすくなります。
不向きな業務が何故出来ないのかを追求して改善しようとしてもなかなか上手く進まないことが多いです。
人間なのでそれぞれの個性があります。助け合えば良いんです。
ただ、スタッフごとの仕事量に大きなバラつきが出てしまうと今度はスタッフの不公平感に繋がりかねません。その点も意識しつつ業務の振り分けをしていきましょう。
各スタッフごとの役割を最適かつ公平に分担するために「ゆるいミーティング」で「今の仕事の担当範囲とか量はどう?」とか「他にやってみたいと思っていることはある?」なんて聞いていくのもいいですね。
まとめ:「辞められにくい職場」は、それだけで大きな強みになる
新しいスタッフを探し、教え、慣れてもらうには、時間も労力もお金もかかります。
だからこそ、「今いる人が気持ちよく、長く働ける環境を整えること」を整えることが、結果的には最も効率がよく、コストパフォーマンスも高い取り組みになります。
すべてを一度に取り入れる必要はありません。どれかひとつ、「これならできそう」と思えるものから始めてみてください。
今日の小さな工夫が、明日の「辞めにくい職場」への第一歩になるかもしれません。
スタッフが長く働いてくれると、実は一番ラクになるのは管理する自分自身だったりします。何より、毎日を楽しく働けますよね。無理なく気楽に楽しく。それが長続きのコツです。


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