こんにちは、中小企業診断士のヒロです。
先日とあるお店のご主人と話していたときのこと。冗談半分でもちょっとだけ真面目な顔でこんなことをつぶやかれました。
「もし自分が倒れたらこの店どうなるんやろうなあって、たまに思うんよ」
もし自分が倒れたら…
日々忙しく働く中小事業者の皆さんには、案外こういう不安が心のどこかにあるんじゃないでしょうか?
- 自分が止まったら全部が止まる
- 個人で商売をしていると自分が倒れたら売上も止まるし営業できない
- お客さまに迷惑を掛けてしまう
- お客さまに連絡をしないといけない
- 家賃やリース料を払わないといけない
でも実際にそんなことになるまでは、あんまり深く考えないものです。いや、考えたくないことなのかも知れません。
「休むしかない」と割り切れる人はまだいいけれど、何の備えもしていないと、会社(お店)の情報も、連絡先も、何もかも“自分だけが知ってる状態”になっていることがよくあります。
だからといってすぐに大げさな準備が出来るわけがありません。完璧な危機管理マニュアルをすぐに用意できるわけがありません。
少しの備えがあるだけでも万が一のときに役に立つ
でも、ちょっとした備えがあるだけでだいぶ違います。
たとえば下記のような備えだけでも万が一のときに役に立つはずです。
- 連絡先情報(取引先や家族用の)をまとめておく
- SNSや予約サイトのログイン情報を紙にまとめておく(※漏洩しないように注意が必要ですが)
- 「休業のお知らせ」の張り紙やメール本文を用意しておく
- 帳簿の場所・管理方法を家族(もしくは信頼できる人)と話しておく
どれも、30分もあればできることばかりです。
でも、それだけで“万が一自分が倒れても、誰かが何とかできる状態”が生まれます。
大げさな準備をするのは時間が掛かるのでなかなか出来ないかも知れませんが、少しの準備だけでもしておけば気持ちがラクになるかも知れません。
「備え」は仕組みでもできる──保険や制度も味方に
ちなみに、こういう“もしも”への備えは、制度や保険でカバーできる部分もあります。
たとえば:
所得補償保険
病気やケガで働けなくなったときに、収入の一部を補償してくれる保険。小規模事業者ほど意外と頼りになります。
小規模企業共済
将来に備えるだけでなく、退職や廃業、急な資金ニーズがあるときにも使える“経営者のための共済制度”。
傷病手当金(国民健康保険組合など)
加入先によっては、一定期間の所得補償が受けられる場合も。加入している団体に要確認。
こういった仕組みは、「倒れたとき、気楽でいられる材料」のひとつになります。
最後に
「備える」ということは、“責任感”じゃなくて万が一のときの周りの人への“やさしさ”だと思うんです。
誰かを代わりを立てるって話じゃなくて、“休んでも慌てなくて済むようにしておく”ための準備。それは、自分にも、家族にも、お客さまにも、やさしい配慮です。
あのご主人の言葉が、ずっと頭に残っています。
「備えがあったら、もうちょっと気楽に倒れられるんやけどなあ(笑)」
倒れないに越したことはないけれど、倒れるときもちょっとだけ“気楽に”なれるように──


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