VBAは計画的に使おう!〜野良VBAトラブルで業務が止まった実例と対策〜

VBAは計画的に使おう! IT・デジタル活用
VBAは計画的に使おう!

こんにちは、中小企業診断士ヒロです。

今回はExcelの便利だけれど使い方を間違えると厄介な機能「VBA」についての話です。

特に、現場の担当者が独自に作る「野良VBA」──つまり、正式な仕様書もなく、属人的に使われているマクロのこと──について焦点を当てます。これらのマクロは一見すると便利ですが、引き継ぎが難しい・エラー時の原因が不明・業務停止につながるなど、数々のリスクをはらんでいます。

今回は「業務部門でよく作られる野良VBA」について、実際に私が遭遇したトラブル事例も交えながら、なぜ計画的な利用が大事なのかを解説します。

野良VBAって何?業務でよくある“ちょっと便利”なツール

業務の中で「この作業めんどうだな」「毎回同じことを手作業でやるのって時間の無駄だよね」と思って、Excelのマクロ(VBA)が得意な人がツールをサクッと作ることありますよね。

たとえば…

  • 毎日決まったフォーマットに数値をコピー&貼り付けするだけの単純なマクロ
  • 複数のシートから売上や在庫データを集計して報告書を作るマクロ
  • 取引先に送る書類を自動で作成するマクロ

こんな感じで、ちょっとした手間を減らすために作られることが多いです。

ただ、作った本人しか使い方や中身を知らず、設計書や操作マニュアルもないことがほとんど。これが「野良VBA」の特徴です。

野良VBAがトラブルの元になる理由

便利なのに、なぜトラブルになるのでしょうか?実はこんな問題点が起こりがちなんです。

1. 作った本人しか理解していない

マクロのなかで使用している変数と呼ばれる値を格納する箱の名前が「a」「b」「c」だけ、どういう処理なのかのコメントもゼロで何の処理かわからない。こうなると、他の人が修正や使い方を引き継ぐのがほぼ不可能です。

2. 環境に依存した設定がハードコーディングされている

特定のフォルダパスやファイル名がコード内に直接書かれていて、別のPCでは動かない。たとえば私が見た案件では、経営の意思決定書類の作成VBAが、フォーマット変更に対応できない、引き継ぎされた人のPCでは動かない、その結果、業務が停滞したというものがありました。

3. バックアップがないまま修正されている

「これくらい簡単だから大丈夫」とバックアップを取らずに直した結果、エラーで動かなくなり、元に戻せない状態に。

4. 共有されていない

「○○さんしか使えない」「説明がない」となり、担当者不在で誰も対応できなくなる。

実際にあったトラブル事例〜海外業者向け書類作成VBAの悲劇〜

ここで、私が実際に遭遇したトラブルをご紹介します。

ある会社で、海外の取引先に送る書類を自動作成するVBAが使われていました。この書類のフォーマットが急に変更になったのですが、VBAの中身が複雑でコメントもほぼなし。

しかも作成した本人がすでに退職していて誰も変更方法が分からない状態。

その結果…

  • 書類の提出が遅れ、取引先との信頼関係にヒビが入る
  • 書類作成作業が手作業に戻り、大幅な時間ロス
  • 業務スケジュール全体に遅延が波及
  • 現場が大混乱で、他の業務にも悪影響

という悪循環になりました。

ではどうすればトラブルを避けられるのか?

野良VBAトラブルを防ぐために、以下のポイントを意識しましょう。

1. 目的・使い方をドキュメント化する

Excelファイルの最初のシートや別ファイルに、「このマクロは何のために作ったか」「どうやって使うか」を簡単にでも書いておく。

これだけで、誰かが触るときの理解度がぐっと上がります。

2. コメントは必ず入れる

コードの中に簡単な説明を入れましょう。
例えば…

'売上データを集計する処理(ここからここまで)
For i = 2 To lastRow

・・処理続く

初心者でも分かる説明を心がけておけばOKです。また、初心者の方が分からないとなってしまっても専門家に依頼しやすくなります。

3. 環境依存の設定は外部化

フォルダのパスやファイル名は、コードに直書きせず、Excelのシートや設定ファイルに書くようにしましょう。

環境が変わっても設定を変えるだけで済みます。

4. 修正前に必ずバックアップをとる

ファイルの複製は手間ですが、何かあった時の保険になります。

特に修正前は必ず保存しましょう。

5. チームで共有・レビューする

自分だけが分かる状態は最悪です。同僚やシステム担当にコードを見てもらい、情報共有する習慣をつけましょう。

6. 複雑な処理や長期運用は専門家に相談

業務に直結する複雑なVBAは、情報システム部門や中小企業診断士などの専門家に頼るのも賢い選択です。

まとめ

野良VBAは、ちょっとした作業を楽にする便利ツールですが、無計画に放置すると後で大きなトラブルの原因になります。今回紹介したような具体的な事例は、どの会社でも起こり得る話です。

ちょっとした工夫を積み重ねて、誰でも扱いやすく、修正しやすい仕組みを作ることが、業務効率アップとトラブル回避のカギとなります。

もし野良VBAでお困りのことがあれば、いつでも中小企業診断士ヒロにご相談ください。あなたの会社の“困った”を一緒に解決しましょう!

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